夢みたもの
「お待ちしてました」


そう言って穏やかに笑う初老の女性。

低めの背に短めのボブ。

小動物みたいで印象的な一重の瞳。



「‥‥佐知‥先生?」


信じられない。


呟くようにそう言うと、目の前の女性はニッコリ笑って頷いた。


「えぇ そうよ‥‥ひなこちゃん」

「‥‥」

「大きくなって‥、いぃえ‥‥綺麗になったわね‥ひなこちゃん」


そう言いながら、佐知先生はあたしの手を取る。

そして、眩しいものでも見るように、目を細めてあたしを見上げた。


「本当に‥‥よく来てくれたわ」

「‥‥」

「堤さん」


航平の名前を呼んだ佐知先生は、目にうっすらと溜まった涙を拭って、嬉しそうに笑った。


「ありがとう。こんな日がくるなんて思ってなかったわ」



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