夢みたもの
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「飲み物持ってくるから、座って待ってて?」


佐知先生に引っ張られるように園内に入ったあたしと航平。

『事務室』と書かれた部屋に通されたあたしは、居心地の悪さを感じながら、落ち着き無く周りを見回した。



昔と違う綺麗な建物。

壁に貼られた園児の絵や折り紙で作った飾り。

時々聞こえてくる子供の声。


そのどれもが、良い思い出を思い出させてくれるものじゃなかった。



「ひなこ」

「‥‥何か、昔と違うみたい」


心配そうに声をかける航平に、あたしは笑って答えた。


「昔はもっとボロボロで‥普通の家を改築した感じだったんだけど‥‥」


話しながら昔の事を思い出しかけたあたしは、小さく身震いした。



今にも‥‥

目の前のドアから

窓の外から


『おかえり』


そう言って、あの人が現れるんじゃないかとビクビクする。



「大丈夫だよ、ひなこ」

「‥‥」

「大丈夫だから」


そう言って、航平があたしの手を握った。



「あのね‥」


航平が口を開きかけたその時。

目の前のドアが音を立てて開いた。



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