夢みたもの
「園長先生は、何度もひなこちゃんを連れ戻しに行ったの」

「何度も‥?」


あたしは首をかしげて佐知先生を見た。


あたしの記憶では、園長が連れ戻しに来たのは1回だけ。

崇さんに出会った時‥その時だけの筈。

そう確認したあたしに、佐知先生は静かに首を横に振った。


「叶さんのお宅には、何度も出向いて‥‥毎日のように電話をかけていたの」

「‥‥」

「きっと、叶御夫妻は黙ってたのね」

「そんな‥‥」


あたしは茫然と呟いた。



知らなかった。


ただお世話になっていただけじゃなく、そんな迷惑までかけていたなんて‥‥

それじゃ‥、毎日ユーリが学校の行き帰りに一緒だったのも‥、あたしを一人きりにしない為?


そんなに大切にされていたなんて‥‥

嬉しくて涙が出そうになる。


ユーリの家族に改めて感謝すると共に、園長の執拗な行動に背筋が寒くなった。



「あの時初めて‥‥園長先生を怖いと思ったわ」


佐知先生はポツリと呟いた。




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