夢みたもの
━・・━・・━・・━


「‥‥ひなこ‥」


航平が小さくあたしの名前を呼ぶ。


少し心配そうに

優しく

全てを受け入れるように手を広げて‥‥


あたしは目に溢れた涙を拭うと、航平に笑いかけた。


「あたし‥幸せだね」

「‥‥」

「皆から愛されてる」


手紙を胸に抱き締めて、あたしは小さく息を吐く。


それは、今までみたいに辛くて苦しい気持ちを吐き出すため息じゃない。


幸せで

余りにも幸せで‥‥


自然とこぼれ落ちた息だった。



「お母さんの子供に生まれて良かった‥‥」

「‥‥」

「本当に嬉しくて‥‥幸せ過ぎて涙が止まらないの」

「ひなこ」


航平はあたしの肩を引き寄せて、その腕に力を込める。

その腕の力と、頬に当たる航平の胸の逞しさに、あたしはほっとして身を任せた。



「航平‥ありがとう」

「‥え?」

「今日‥ここに連れて来てくれて。ずっと付いててくれて‥‥」

「‥うん」



「あたしね‥‥航平の事‥好きだよ」

「‥‥」

「ずっと前から‥‥航平の事が好きだった」



それは

あたしの口からこぼれた

あたしの本当の気持ちだった



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