夢みたもの
「小さい頃からずっと‥、お母さんが本当のお母さんだったら良いな‥‥って思ってた」

「‥‥」

「だから‥本当に嬉しかったの。これからは‥遠慮なくお母さんを『お母さん』って呼べるんだ‥って」

「‥‥ひなこ‥」


後から後から‥溢れ出てくる涙。

母は、涙でくしゃくしゃになりながら、あたしをその胸に抱き締めた。



柔らかくて

温かくて

全てを包み込んでくれそうな大きさを感じる胸


母の胸の中がこんなに温かくて‥、こんなに安心出来るものだなんて‥‥今まで知らなかった。



「‥あったかい‥‥」



そう呟いたあたしの頭を撫でながら、母は何度もその腕に力を込める。


「もう‥二度と離さないわ」

「‥‥」

「私の大切な娘だもの」




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