夢みたもの
「ねぇねぇ‥写真撮ろう、写真!!」


校門の前。

鞠子がカメラ片手に手を振る。


「高校生活最後、青春の1ページだよ!」

「鞠子ったら‥‥相変わらず恥かしいわね」


肩をすくめて苦笑すると、葵がゆっくり歩いていく。


いつもと同じ。

これからも変わらない関係。


その様子を眺めながら、あたしは目に浮かんだ涙を拭った。



「泣かない‥って、約束したのに」

「‥‥」


隣に立った航平が、あたしの顔を覗き込んで小さく笑った。


「泣き虫だなぁ‥ひなこは」

「な‥泣いてない‥」

「泣いていいよ?」

「‥え?」

「俺、ひなこの事‥ちゃんと支えるからさ」


見上げたあたしの頭にポンと手を置くと、航平はニッコリと笑った。


「これからもずっと‥、どんな事があってもね」



「ひなこ、航平君、早く!!」


鞠子の声が大きく響く。



「行こう ひなこ」


あたしに向かって、真っ直ぐ差し出される手。

その手をしっかり掴んで

手をたずさえて


今、あたし達はそれぞれの道へ足を踏み出した。





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