夢みたもの
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「ひなこ ひなこ ひなこ!!」

数日後の昼休み。

いつものように教室で弁当を広げていると、購買に行っていた鞠子が、息を切らして飛び込んできた。



「騒がしいわね」


お茶を飲みかけていた葵が、顔をしかめて鞠子を見る。


「ちょっと落ち着きなさい」

「何かあったの?」


あたしがそう言うと、余程急いで来たのか、鞠子は頬を赤くして肩で息をしながら言った。


「見たの」

「何を?」

「前に話してた編入生!さっき、購買に行く途中で見かけたの!」

「あぁ・・・なんだ」


あたしと葵は、2人声を揃えてそう言うと、昼食の続きに取りかかる。

鞠子の噂話はいつもの事だ。

しかも残念な事に、本人が言う程凄かった例がない。


「ちょっと、2人共 話聞いてよ〜」

「聞くわよ。だから話しなさい?」


葵に促されて鞠子は嬉しそうに頷くと、目を輝かせて身を乗り出した。


「あのね あのね?超〜格好良いの!って言うか、マジでイケメン!!」

「ふぅん?」

「それで?」

「もぉ〜反応薄いよ 2人共!!」


鞠子はさらに顔を蒸気させて、あたしと葵を交互に見た。



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