いつか、君と同じ世界を見たい
「これ、さっきの一万円。三神君なにも頼んでないでしょ。あと…これも…。」
握っていた一万円と一緒に私はポケットから拾ったピアスを取り出して差し出す。
「なにこれ、ピアス?」
「拾ったの。前、女の人とけん…話してるの偶然見てて。これ、高いものだし渡した方がいいかなって思って。」
「…あぁ。別に捨てて良いよ。そんなのいくらでも買えるし。」
彼はそれだけ言ってまた前を向いて歩き始めようとした。
「…ちょっと待って!これ、多分あの女の人、三神くんのことすごい考えながら選んでくれたものだと思う。三神君からしたら大したことないのかもしれないけど女の人の気持ちがこもってるんだよ。」
彼は前に出かけた右足を止め、再びこちらを振り向く。