おうちかいだん
ジャラジャラ……。
背後で、鎖の音が。
さらに、ギギッ、ギギッと金属が擦れるような音も。
「お、お母さん……な、なんかおかしいよ! やめてよ! 本当に怖いんだから!」
確実に背後に、あの幽霊が現れたというのがわかる。
「まあ、お母さんに口答えするのねリサは! いつからそんな悪い子になったの!?」
さらに力を込めて、また一段、なんとか下がることができたけど、いつ突き落とされるかわからない。
振り返ってはいけない、だけどお母さんに突き落とされようとしていて、背後には幽霊がいるという絶体絶命の状況に、気が狂ってしまいそうになる。
「早くうぅぅぅぅ! 落ちなさいぃぃぃぃっ! おしおきにならないでしょぉぉぉぉっ!」
お母さんの力がさらに強くなった。
肩を押されて、私が手すりを離してしまったら後ろ向きに落下するのは目に見えている。
この状況で、私が出来る行動はもう限られてしまっていた。
そんな中で……私の後ろ髪が掴まれた。
「あっ!」
お母さんと共謀して、私を転落させようとしているのか。
「いい加減に落ちなさいぃぃぃぃっ!」
「もう! いやああああああっ!」
お母さんの声をかき消すように、私は声を上げた。