おうちかいだん
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」
その異様な風貌に、私は声を絞り出すことしかできなかった。
もしかしたらここで殺されてしまうのか、そうでなくてもとてつもなく恐ろしい目に遭うのかと考えるだけで、声と一緒に涙が溢れ出て、その場に腰を抜かして座り込んでしまったのだ。
その異様な風貌の人が私に手を伸ばす。
髪を掴まれて、私は必死にそれを振りほどこうと抵抗をする。
「や、やだやだやだやだ! 離して離して! お母さん……お母さん! 助けて!」
手を脚をバタつかせて、少しでも動きを止めれば殺されてしまうという恐怖に包まれていた。
そして、もう一度前髪を掴まれて、グイッと顔を上に向けられた瞬間……私の首に、ギザギザの刃物が当てられた。
肉が、骨が、ガリガリと削り取られるように切断されていく激痛を喉に感じる。
冷たい刃が、身体の中に侵入する不快感。
のたうち回るほどの痛みが、喉から全身に駆け巡る。
「あ……」
声を出そうにも声にならない。
空気が漏れるような音が口から出るだけだった。