おうちかいだん
身体を拭いていると、磨りガラスに赤い液体が飛び散った。


私は少しでも臭いを抑えようと身体を拭いているだけなのに、お風呂場は騒がしいものだ。


でも、頭も顔も洗わない。


浴室でも脱衣所でも、目を瞑ってしまえば私もあっちの世界に引きずり込まれてしまうだろうから。


これで少しはわかってくれるだろうな。


なぜ、私がお風呂に入れなくなったかを。


「こ、来ないで……来ないでええええええっ! あああああああああああぁぁぁっ!」


最後に、私に幽霊の話をしてくれた子の悲鳴が聞こえた。


他の二人の声が聞こえないのが不思議だったけど、失神でもしているのかもしれない。


一通り身体を拭き終わり、タオルを洗濯カゴに入れた私は、制服を着て浴室のドアに目を向けた。


真っ赤な……真っ赤な液体がドアに。











いや、待って?











私は目を瞑っていないから、これは幻なんかじゃないはず。


なのに、どうしてドアに血が?


そう思って、血に塗れたドアをそっと開いてみると……。








そこには、無惨に切り刻まれた三人の死体があったのだ。







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