おうちかいだん
悪い夢は、目を覚ませば消えてなくなる。


おじいちゃんが言った通り、目を覚ました私はスッキリと心が晴れ渡るようで。


長い夢でも見ていたかのような気持ち良さを久々に味わっていた。


学校に行くまでには時間があって、とんでもない臭いが髪から漂って来たから、もうこれはさすがにダメだと、頭を洗うことにした。


もうあの幻は見ない。


頭を洗っている時に、目を瞑っても大丈夫だというわけのわからない自信みたいなものがあって、久しぶりにシャワーを浴びたいと、脱衣所でパジャマを脱いだ。


清々しい気分の中で、シャンプーを頭に付けて洗う。


頭皮に溜まった汚れが落ちるのがわかるくらいに、頭が気持ちよくて綺麗になっていると実感出来る。


目を瞑ってもほら、いつも通りのお風呂場だ。


気分よく頭と身体を洗い、久しぶりにサッパリした気分に浸って、浴室を出ようと振り返った。






「ひっ!」







幽霊のことを考えただけで、幽霊は背後にいる。







あの子が言っていたことは本当だった。


私が今までお風呂場で見ていたのは夢か幻かわからないけれど、あれは幽霊ではなかった。


でも、今目の前にいるのは……私が家に呼んだ三人。


虚ろな表情で私を見る幽霊。


ああ、そういうことだったんだ。


私が見ていた幻で、死んでいた女の人達。


あなた達三人にそっくりだったよ。


私は三人が見つめる中、浴室を出て、学校に行くための準備を始めた。


学校に行ったら、三人は行方不明になっていると聞かされて……私はフフッと微笑んだ。
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