エリート官僚はお見合い妻と初夜に愛を契り合う
「買います。コップと歯ブラシ立てと、歯ブラシも二本」
「ありがとうございます~!」
店員はいそいそと商品を棚から取り、レジに移動する。
まんまと乗せられてしまったか?と思わなくもなかったが、それよりも花純がこの恥ずかしい歯ブラシセットを目にしたらどんな反応をするのかを想像して、頬が緩みそうになった。
盛大に照れるのは確実。真っ赤な顔をした彼女を、どうからかってやろう。
こらえきれずにふっと軽い笑いを鼻から漏らすと、品物を包み終えた店員に「本当にお幸せそうですね」と微笑まれてしまい、俺は気まずさをごまかすために咳払いをするのだった。
日曜の午前十時、花純の実家に彼女を迎えに行った。
彼女の荷物は衣類の他、仕事で使うパソコンなどのOA機器、そして料理関係の書籍や自分で記したレシピのノートなどが大量にあったが、俺のSUVのトランクになんとかすべて詰めることができた。
門の前まできてくれた花純の両親は、それぞれ見送りの言葉を掛けてくれる。
「あんまり頑張りすぎず、あなたたちのペースで仲良くね」
「……司波くん。しつこいようだがくれぐれも娘を泣かせないように」