エリート官僚はお見合い妻と初夜に愛を契り合う
若干あきれながら彼女の頭にポンと手をのせ、安心させるように言う。
「そんなに動揺しなくても、今すぐお前をどうこうしたりはしない。ただの添い寝で構わないから、同じベッドで寝たいんだよ。俺が」
「司波さん……」
珍しく素直な気持ちを吐露した俺を、花純がまじまじと見つめてくる。照れくさくなった俺は、彼女から目を逸らしてぼそぼそ呟く。
「ま、お前がそれすら嫌だというなら、考え直さなくもないが――」
「い、嫌なんかじゃないですっ!」
俺が言い終える前に、食い気味に否定された。
思わず彼女に視線を戻すと、口が滑ったとでもいうように、両手で口もとを覆っている。手からはみ出ている頬は、リンゴのように赤い。
なんだよその反応。本当は俺と寝たいのかって期待するだろうが馬鹿。
「……そうか。じゃあ、そういうことで」
「は、はい……」
これ以上続けていたら墓穴を掘りそうだったので、寝床についての話題はそこで終わりにし、俺たちは黙々と花純の荷物を整理する作業に戻った。