エリート官僚はお見合い妻と初夜に愛を契り合う
帰宅する途中、遅くまで開いているスーパーに寄り、刺身用の鯛を買った。
時成さんからは今夜も【夕食はいらない】とメッセージがあったが、食事の後でもお腹に入る、鯛茶漬けを作ろうと思ったのだ。
今まで彼に料理を振舞ってきてわかったのだが、時成さんが好むのは意外と甘めの味付け。
だから、九州の甘口醤油に砂糖、煮切りみりん、練りゴマを使って鯛を〝漬け〟にしたら、きっと美味しいと思ってもらえるんじゃないかな。
甘めの鯛茶漬けで彼がホッとしたところで、出張の話をしよう。
マンションに着いた頃にはすでに午後十時を過ぎてしまっていたので、急いで準備に取り掛かった。
頭の中で組み立てていたレシピ通りに鯛の漬けを作り、冷蔵庫に入れたところで一旦お風呂休憩。
時成さんの帰りは何時頃だろう。お茶漬けにするから、少しくらい味が濃くなっても大丈夫だけど。
湯船につかりながらぼんやり冷蔵庫の鯛に思いを馳せていたら、玄関の方から物音がした。
もしかして、帰ってきた? よかった、思ったよりも遅くなくて。
彼に早く「おかえりなさい」が言いたくて、ザバッと湯船から上がったその時だった。
バスルームの扉がガチャっと開いて、いきなりスーツ姿の時成さんが現れた。
えっ? あの、私、裸なんですけど……。