コリウス〜かなわぬ恋〜
始まり
「新田さんの奥さんってどんな人なんですかー？」




週末の三連休は新田さんと一緒にオープン作業だった。

そしてこの質問をしたのはこの店で三人しかいない同い年の女の子、倉本桜。

天然100%の脳内をしている面白い子だ。




「えー、それ答えないとダメ？」




休憩が三人一緒に被った為、桜がした質問を新田さんは困ったような顔をして笑っていた。




「だって気になるよね？絵梨花ちゃん」


「そうだね。んー、年下と結婚してそう」


「残念。年上だよ。でも最近触れ合ってないんだよねー。喋ってもないし」


「そうなんですか？」


「うん。ほら、三連休ずっとオープンして店閉めてって...喋る時ないよー」




今日は三連休の最終日

この店は深夜までやっているから私と新田さんはこの3日間ずっとオープンラストで働いている




「それに子供の世話で相手されないし」


「それは仕方ないですよー！」


「わかってるんだけどね」




桜の言葉に新田さん笑って済ます。


その笑顔は少し寂しそうだった。




「新田さんって意外と寂しがり屋なんですね」


「あ、バレた？」




そう笑う彼は幼い少年のようだった。
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