捨てられ幼女は最強の聖女でした~もふもふ家族に拾われて甘やかされています!~
それは美しくも残酷な薔薇の花。
蔓に生えた鋭い棘は細い腕に食い込み、私という存在そのものを縛り続けている。
「ううっ……。うううう……」
狭い地下牢の中に、泣き声が反響している。
誰も、慰めたり優しい言葉をかけたりもしてくれない。
明かり取りから差し込む仄かな陽光だけが、私を静かに見守ってくれていた。
*
――なぜ、あんなにも私を慕っていた妹がこんな風になってしまったのか。
異変が起こったのは、私たちの六歳の誕生日のことだ。
滅多に病気をしない妹が、珍しく高熱を出した。当時、流行病が蔓延していたから、私や両親は必死になって看病をし、その甲斐もあって妹は数日後には回復した。
それからだ。妹の様子がおかしくなったのは。
夜中に、コソコソとお養父様の書斎へ侵入して、本を読み漁るようになった。
蔓に生えた鋭い棘は細い腕に食い込み、私という存在そのものを縛り続けている。
「ううっ……。うううう……」
狭い地下牢の中に、泣き声が反響している。
誰も、慰めたり優しい言葉をかけたりもしてくれない。
明かり取りから差し込む仄かな陽光だけが、私を静かに見守ってくれていた。
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――なぜ、あんなにも私を慕っていた妹がこんな風になってしまったのか。
異変が起こったのは、私たちの六歳の誕生日のことだ。
滅多に病気をしない妹が、珍しく高熱を出した。当時、流行病が蔓延していたから、私や両親は必死になって看病をし、その甲斐もあって妹は数日後には回復した。
それからだ。妹の様子がおかしくなったのは。
夜中に、コソコソとお養父様の書斎へ侵入して、本を読み漁るようになった。