勇者がうちにやってきた▼【完】
教室に入ると、久しぶりの再会で盛り上がっているクラスメイト達が声をかけてくれた。
日焼をしている人もいれば、バッサリ髪を切ってイメチェンしている人もいる。
適当に挨拶をしつつ自分の席につれば、


「オッス菱沼。この間はどうもな」


太陽のような笑顔の近藤。
ほら、やっぱり向こうから話しかけてくれる。
今までなんとも思ってなかったけど、思い返せばいつもこうして近藤から挨拶してくれているのだ。


「あれ、前髪切ったか?」
「あ、うん。わかる?」
「わかるわかる!良い感じじゃん!」


近藤は親指を立てて私の前髪を絶賛してくれた。
こんな些細な変化に気付くなんて、それってつまり私のことをよく観察してるってことだよね?
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