【完】黒薔薇の渇愛
なんで優理花さんのこと、この人たちは知ってるんだろう……。
れみ子たちは優理花さんと桜木の知り合い?
でも桜木はれみ子たちのこと、まったく知らない他人に向ける目で見ていた。
ただ単に桜木が忘れていたか
それとも優理花さんと一緒にいる桜木をれみ子達が見ただけか。
考えたって仕方がないことだよね。
桜木が私と知り合いのように
れみ子たちが優理花さんと友達だったとしてもおかしくない。
「ちっ……和倉のくせにいい気になってんじゃねーぞ!」
舌打ちしながられみ子は、八つ当たりにゴミ箱を蹴って中に入っているゴミを散らかすと、そのまま教室から出ていってしまう。
それを慌てて追いかける取り巻きたちも、ボスの機嫌を取るのに一苦労しそうで
正直同情した。
私はれみ子がばらまいたゴミをしゃがんで片付けると
周りの視線に気づいて教室中を見渡す。
けど、すぐにクラスメート全員に目を逸らされ
皆いつも通りの見て見ぬふりを決め込む。
……まあ、しょうがないよね。
私みたいな奴助けて
れみ子に目をつけられたら大変だもんね。
教室は安全が約束されないと
生きた心地がしない。
そんなの嫌というほど味わってきた私だけど
今日は言い返せた。
不思議な気分だ。
きっと桜木が朝、魔法をかけてくれなきゃ
れみ子に歯向かうなんて恐ろしいことできなかったと思う。