【完】黒薔薇の渇愛
「なにが。なにが『ごめんなさい』なの。
言ってみて」
「いや……あの、桜木さんの気に入っている女をに手をだして……」
「俺の気に入ってる子だと分かってて手を出したんだ。
ほーん、正直に言ったから許してあげる」
「……あっ」
「なーんて、言うわけないじゃん?……すっごく胸糞悪さを感じてんだよね今」
「えっ」
「君にもこの気持ち味わってもらわなきゃ、俺だけこんな目にあって可哀想でしょ?」
「やめっ……!」
言葉の続きなんて言わせずに、桜木は男の顔目掛けて蹴りを入れる。
座っていたソファに倒れ、そのまま意識を失う男。
同じく私がやられそうになってるのを観戦していた男が床に倒れている。
一体……この数秒の間でなにが起こったの。
目を逸らさず見ていた私でも、呆気無さすぎて状況を飲み込めないでいる。
次に桜木が眼光を飛ばした相手は、優理花さんだった。
「ゆーりか」
名前を呼ぶ桜木の声はあまりにも軽くて余計に不気味に聞こえてくる。
優理花さんはビクッと肌に恐怖を走らせる。