【完】黒薔薇の渇愛
ゾクッとした。
全部バレてるっていう顔をしている優理花さんに。
あの日、れみ子たちを裏で操ってたのは優理花さんだったんだ。
だかられみ子もれみ子の取り巻きと……桜木を見て、怯えてたんだ。
バレたんじゃないかって。
「俺の一番嫌いな女のタイプだよねー、優理花って」
「……っ」
「嫉妬で傲慢で、気に入らない相手はとことん潰しちゃうタイプ。
めんどくっさ」
「……桔梗」
「もう関わることないと思うから、それじゃあね。ばいばーい」
他人事の様に手を振る桜木に、この世の終わりを告げられた様な絶望しきった顔を見せる優理花さんは。
「ききょ……っ、やだ……なんで!?」と桜木の胸ぐらを掴んだとき。
桜木の壊したドアから、三人くらいの男たちが入ってきて、優理花さんを連れていく。
最後まで桜木の名前を呼ぶ優理花さんの声が、耳鳴りの様にこびりついて離れないでいると。
いつの間にか、BGMは下げられていて、無音の世界が広がる。
そんな世界で、私と桜木の目は合ったまま、しばらくは互いに口を開かないでいたけど。
先に口を開いたのは桜木からだった。