キミと、光さす方へ
あたしはつられて空へ視線を向ける。


泉の奇麗に手入れしてある爪先が、太陽の光でキラキラ光って見えた。


泉は自分の幸せを自分の手でつかむことができるんだ。


そんな風に感じられる光景だった。


「あたしは……身の丈にあった幸せがあれば、それでいいよ」


あたしの答えに、泉は小さくため息を吐きだしたのだった。
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