キミと、光さす方へ
「あのね、実はね」
あたしは滔々と語り始めた。
もう10年も前のことなのに、こうして話し始めるとまるで昨日のことのように思い出すことができるから不思議だった。
あの日は日曜日で、あたしの幼稚園はお休みだった。
「お母さん、公園行ってくる! いい?」
外はよく晴れていて、どこかへ出かけたい気分だった。
だけど今日はお父さんが仕事の日で、家族で出かけることができずにいたのだ。
「いいわよ。気を付けていくのよ?」
洗濯ものを干していたお母さんがベランダから部屋に戻ってきてそう言った。
「うん!」
玄関へとかけていった時、テレビを見ていた弟が走ってきた。
「僕も一緒にいく!」
そう言ってあたしの腕を掴んだのだ。
あたしは振り払うこともなく、弟の手を掴んで外に出た。
あたしは幼稚園の年長さんで、弟はどこにも通っていなかった。
弟の友達といえばあたしで、後ろをくっついてくる弟が可愛くてしかたなかった。
あたしは外へ出ると自分の赤い自転車にまたがった。
弟は補助輪つきの白い自転車。
あたしは滔々と語り始めた。
もう10年も前のことなのに、こうして話し始めるとまるで昨日のことのように思い出すことができるから不思議だった。
あの日は日曜日で、あたしの幼稚園はお休みだった。
「お母さん、公園行ってくる! いい?」
外はよく晴れていて、どこかへ出かけたい気分だった。
だけど今日はお父さんが仕事の日で、家族で出かけることができずにいたのだ。
「いいわよ。気を付けていくのよ?」
洗濯ものを干していたお母さんがベランダから部屋に戻ってきてそう言った。
「うん!」
玄関へとかけていった時、テレビを見ていた弟が走ってきた。
「僕も一緒にいく!」
そう言ってあたしの腕を掴んだのだ。
あたしは振り払うこともなく、弟の手を掴んで外に出た。
あたしは幼稚園の年長さんで、弟はどこにも通っていなかった。
弟の友達といえばあたしで、後ろをくっついてくる弟が可愛くてしかたなかった。
あたしは外へ出ると自分の赤い自転車にまたがった。
弟は補助輪つきの白い自転車。