俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
『なので、乾闥婆王の力だけを使って、戦いは夏輝に任せてるんですー』と…自分のガーディアンの仕組みについて一生懸命に喋っていた。
それに、何で俺に一生懸命喋る?
その理由はなずなから。『伶士、懐かれてるわ』と笑われてしまった。
『懐かれてる?…問題じゃねえのか!彼女以外の人に懐かれるとか!』
俺はなずなの彼氏ですけど!
『桃李ちゃんは特殊だからね…嫉妬の気持ちも湧いてこないよ…。むしろ面白い』
俺は、竜堂の嫉妬深い視線が痛いよ。
「レイシくん、私達今日東京に戻るんです」
不意に伝えられたそのセリフに、思わず顔を上げてしまう。
「そ、そうですか」
「はい。赤いサイロ買って、夕方の飛行機で帰ります」
「………」
大人気土産だから、きっともう売り切れてるぞ。
そんな土産事情はさておき、二人はもう出発するようだ。
「じゃあ、なずちゃん。私達は帰るけどお大事に。あまり無理しないでね?」
「うん、大丈夫だよ」
「戦局はこれからって時なのによ?一緒に戦えなくてごめんな。今度ゴールデンウィークにでも戻ってくるわ」