俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

俺は、護衛対象だから。

その身を護り、不安を与えてはいけない。

ボディガードである以上、そんな信条もあるんだろうけど。



けど…俺は、護衛対象でもあるけど、なずなの恋人、彼氏でもあるんだから。

込み入った話も聞かせてくれてもいいのにな、と思った。

聞いてるしか出来ないけど。



俺たちの間に、壁一枚あるような気がして。

それをどうにか取っ払いたいな…と、思い始めていた頃でもあった。



そんなことを考えながら、イオンに向かうチームメイトの大行列に着いていく。



…だからといって、俺はめげない。

構われてないから拗ねたりなんてしないぞ。




俺は、俺の『正義』を貫くために。

ただ、前を見るだけ。




ワイワイとザワつきながら歩道を歩くと少し目立つのか、歩行者にチラ見されている。

おいおい静かにせいよ。

と、思いながらも、平和な証拠だよな。とも考えてしまう。



ほのぼのと呑気にその光景を見ていたが、迫る陰に気付くのが遅れてしまい、すれ違う人と肩がぶつかってしまった。

「す、すみません!」

「いえ…」

< 158 / 541 >

この作品をシェア

pagetop