俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
俺は、護衛対象だから。
その身を護り、不安を与えてはいけない。
ボディガードである以上、そんな信条もあるんだろうけど。
けど…俺は、護衛対象でもあるけど、なずなの恋人、彼氏でもあるんだから。
込み入った話も聞かせてくれてもいいのにな、と思った。
聞いてるしか出来ないけど。
俺たちの間に、壁一枚あるような気がして。
それをどうにか取っ払いたいな…と、思い始めていた頃でもあった。
そんなことを考えながら、イオンに向かうチームメイトの大行列に着いていく。
…だからといって、俺はめげない。
構われてないから拗ねたりなんてしないぞ。
俺は、俺の『正義』を貫くために。
ただ、前を見るだけ。
ワイワイとザワつきながら歩道を歩くと少し目立つのか、歩行者にチラ見されている。
おいおい静かにせいよ。
と、思いながらも、平和な証拠だよな。とも考えてしまう。
ほのぼのと呑気にその光景を見ていたが、迫る陰に気付くのが遅れてしまい、すれ違う人と肩がぶつかってしまった。
「す、すみません!」
「いえ…」