俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
『昨日帰り、サッカー部でイオンに飯食いに行ったんだけどさー。伶士、ずっと首の後ろ痛がってたんだよなー。頸椎やった?なずぽよ知らね?』
彼女だからって何でも知ってると思うなよ?伶士の頸椎がどうとか知るか。と、一掃してしまったけど。
まさに今、セリフの通り、何でも知ってると思うなという状況だ。
まさか女の影があったなんて…。
ずーんと落ち込む。
すると、サブロク沿いに立っていた私の前に、よく知ってる黒塗り高級車がゆっくりと停止する。
運転席を覗くと、そこにはやはり忠晴さんだ。予想より到着が早い。
助手席のパワーウィンドウがスーッと開く。
そこからは、若干早口で震えている忠晴さんの声がした。
「…なずなさん、取り敢えず乗って頂けませんか?車の中でお話ししましょう」
…落ち込んでいる場合じゃ、なさそうだ。
「…で、いったい伶士がどうしたって」
と、口にした時。車が大きく揺れて助手席でひっくり返そうになった。
忠晴さん、この車通りの多いサブロクで思いっきり車をUターンさせたのだ。
「わわっ!」
「こりゃ失礼」