俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

こんな主要道路をUターン、随分と豪快ですね!主を乗せてないとこんなもんですかい!

と、思ったが。運転席の忠晴さんから、焦燥の横顔を見てしまうと、そんなツッコミ出来ない。

直線道路に入り、運転が落ち着いたところで改めて話を聞くことに。





「昨晩までは、何も変わりはなかったのですが…」



そして、今朝。

主のおぼっちゃまは、夕方学校まで迎えに来るよう執事に命令した。

…ここまでは、何ら普通にある経過で、何の疑いもなかった。

伶士は以前まで登下校の送迎を頑なに嫌がっていたのだが、秋の依頼の件以来、自分が狙われているのを自覚したのか、こういう要望はぼちぼち増えてきたという。



だが、突拍子もない要望をされたのは、先程学校まで迎えに行った時だった。



『今日からしばらく、夜は友達の家に泊まるから、送迎と洗濯を頼めるかな』



…要するに、部活で汚れた衣類や日々の洗濯物を迎えの時に回収し、朝の送りの時に持ってこい。という無茶振りをしてきたのだ。

はぁ…?



「『頼めるかな?』と仰ったのですよ…。頼めるかな?、と!…頼智さまが乗り移ったのかと思いました!」

< 172 / 541 >

この作品をシェア

pagetop