俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
こんな主要道路をUターン、随分と豪快ですね!主を乗せてないとこんなもんですかい!
と、思ったが。運転席の忠晴さんから、焦燥の横顔を見てしまうと、そんなツッコミ出来ない。
直線道路に入り、運転が落ち着いたところで改めて話を聞くことに。
「昨晩までは、何も変わりはなかったのですが…」
そして、今朝。
主のおぼっちゃまは、夕方学校まで迎えに来るよう執事に命令した。
…ここまでは、何ら普通にある経過で、何の疑いもなかった。
伶士は以前まで登下校の送迎を頑なに嫌がっていたのだが、秋の依頼の件以来、自分が狙われているのを自覚したのか、こういう要望はぼちぼち増えてきたという。
だが、突拍子もない要望をされたのは、先程学校まで迎えに行った時だった。
『今日からしばらく、夜は友達の家に泊まるから、送迎と洗濯を頼めるかな』
…要するに、部活で汚れた衣類や日々の洗濯物を迎えの時に回収し、朝の送りの時に持ってこい。という無茶振りをしてきたのだ。
はぁ…?
「『頼めるかな?』と仰ったのですよ…。頼めるかな?、と!…頼智さまが乗り移ったのかと思いました!」