俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「…伶士と一緒にいた女の人、どんな人だった?」
「遠くからなので何とも言えませんが…これといった特徴はない普通の女性です。長い黒髪で、身長は伶士さまの肩より下で、ベージュのトレンチコートを着ていて、歳は恐らく、20歳過ぎでしょう」
「ふぅん。…どんなマンション?」
「13階建てのそんなに新しくない物件ですね。ソフィアパレス南郷通というマンションです。……到着しました。こちらです」
話しているうちに、もう到着してしまった。
南郷通から一本中に入った道に聳えるマンション。周りにも同じような高さのマンションがいくつもある。
忠晴さんは堂々と車をマンションのエントランス真ん前に停めてくれちゃっていた。
そこから、エントランスの中、マンション全体を凝視する。…霊力を少し動かして。
鍵はいっちょ前にオートロックか。
だが、マンション全体を見上げた時に、何か異なる力が霊力の琴線に引っ掛かった。
「…忠晴さん、ビンゴだ。このマンションの一室に意図的に結界が張ってある」
「な、なんと…」