俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
考え込んでいて、つい一人の世界に入ってしまった。
「ごめん…」と謝り、ヨーテリの小さな体をわしゃわしゃと撫でる。
…だが、ヨーテリの怒りはそんなものでは治らなかった。
もー!なずなちゃん、どうかしてるよ!
おしごとだからとはいえ、あいつをたすけることをいっしょうけんめいかんがえてさー!
なずなちゃん、ひどいことされてるんだよ!
「え…」
うわきだよ、うわき!くやしくないの?!
なのに、なずなちゃんは、おこったりもないたりもしないで、あいつをたすけることだけをかんがえてる!
おんなのこなのに、しょうきのさたじゃないよ!
「そ、それは、伶士の意ではないかもしれないという可能性が出てきてるんだ。…それに、私は伶士のカノジョでもあるけど、伶士の護衛だ。その身を護る為の行動を取るのは任務。御館様から仰せつかった任務だぞ?」
すると、ヨーテリはへぇー?と低く呆れた声を出す。
犬である前に、私の使い魔のはずだが、この態度はまるで私と同等の立場である人間のようだ。今更だけど。
恋人でもあるけれど…護衛。