俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「スズチカには後でもう一度念押ししとく。…それで、真実の流れは今の嘘みたいな感じなのか?」
むーは眉間にシワを寄せて、視線を鋭くさせる。
少し目を合わせてから、二回頷いた。
「まあ…似たようなもんだ。催眠術師じゃなくて、妖怪魔族の類だけど」
「…大丈夫か?伶士殿も、おまえも」
「………」
むーは…心配しているのだ、私の事も。
むーは昔から見ている。私がバトルでダメージを負って帰ってくることも。
…だが、余計な心配をかけさせるわけにはいかない。
「大丈夫…にしないと、プロじゃないだろ。やるさ。明日の試合とやらにも支障が無いよう努める」
私の発言に、むーは一瞬目を見開く。
やれやれといった表情になり、ため息をついた。
「陰陽師も大変だな?…何か出来ることがあれば言ってくれ。取り敢えず、伶士殿の異変がみんなに気付かれないよう気は配る」
「頼むわ…」
協力者がいる。その存在は有難いこと。
帰りを待つ人がいる。
そんな人のために、死に物狂いで任務に当たらなければならない。
自分に発破をかけて…挑むしかないのだ。