俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
それからは多くを語らず、むーも深い部分は聞いてこない。
少し会話をしたのち「無茶はするなよ」と一言残して、むーはスズチカの後を追ってグラウンドへと戻っていった。
無茶はするな、か…。
ぶっちゃけ。
無茶をしてでも、勝てないかもしれない。
今日中の解決も、無理そうだな…。
相手は、花魁女郎蜘蛛。
むーと別れてから、忠晴さんと連絡を取る。
伶士は、待ち合わせの場所に一人で現れた。
そして、忠晴さんの誘導で車に乗り込み、ナンナナのあの場所へと送り届けてきたということだった。
私からも『接触をしたけど逃がしてしまった』という情報は伝えた。
『…なずなさん、これからどうしますか?』
電話の向こうの忠晴さんの声は、弱々しかった。
忠晴さんに不安を与えてしまっている。罪悪感で申し訳ない気持ちにさせられる。
「…取り敢えず、作戦を練り直さなければならない。でも大丈夫。忠晴さんは普通通りにして。明日も洗濯物頼まれている?」
『ええ。今日と全く同じ時間です』
「わかった。明日も同行するよ」