俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

…これはもう、ボスに報告。



(………)



長い長い底無しのため息が出る。



何度も言うけど、これはもう私の完全なる失態なのだ。

例え相手があの有名な【花魁女郎蜘蛛】だったとしても、伶士が手にかかるその前に存在を察知出来なかったその時点で、私の落ち度となる。

しかも、その正体を先程まで知らずに、高を括って法蓮草…いや、報連相が遅れたことも、私の失態として追及されるに違いない…。

あぁ…。



でも、こんな事態になってしまったらもう後が無いので。

取り敢えず、ボスに電話で報告。




『報告が遅い!…いったいおまえは何をやってるんだ!あれほど自分の力を過信するなと言っているだろうが!』



ほーら、怒られました…。

もう、胸の中は悲しみ一色ですよ。



電話の向こうにいるはずなのに、剣軌の殺気がバシバシと漂ってくる。

そんでもって辛辣なもんだから、もうめった打ちだ。

普段穏やかーにしているように見せていて、怒るとまるで般若の如く。

私がこの世で最も恐れる男。それがこの、血は繋がってこそいないが兄も同然である、菩提剣軌という男だ。
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