俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
…しかし、問題がひとつ。
呪詛返しだ。
私達陰陽師が使用する陰陽術は、あくまでも『呪詛』…呪いと呼ばれているもの。
呪いと名のつくものは、使用すると相応の『お返し』が身に降りかかってくる。
ある程度の『お返し』ならば、回避する術を持ち合わせているのだけど。
それが『禁呪』となれば、相応の『お返し』は大きい。
もし、【神童】であるのならば、ガーディアンとの契約時に授かった『神帯』という金色の帯が、その『お返し』を簡単に防いでくれる。
だから、親父もこの禁呪【黒炎の華】を遠慮なく使うことが出来た。
だが、私がこの禁呪を使うと。
【神童】ではない『神帯』を持たない私が、相応の『お返し』を、自分の実力のみで処理することが出来るのだろうか。
取得難易度が低いとはいえ、仮にも『禁呪』だ。
相応の『お返し』は、半端ではないはず。
…だから、事あるごとにこの禁呪を使おうとすると、各方面から必ず制止される。
呪詛返しの処理が出来ない程の呪を使うのは、自殺行為だ。死ぬぞ、と。
…けど、この状況。
そんな事を言ってられるだろうか。