俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
ここで私が乗り込まなければ、伶士の身体にはどんどん魔力が蓄積し、蝕まれていく。
奴らは、何かを企んでいるからには、伶士を死に至らせることはないとは思うが、時間が刻々と過ぎれば過ぎるほど、伶士の身体はダメージを負っていく。
苦しんで…いるんだぞ?
やっぱり好機を伺って待っていることなんて、出来ないんだ。
なら…私が好機を作る。
この【黒炎の華】を引っ提げて、好機を狙う。
花魁女郎蜘蛛を完全に滅する事が出来ずとも、回避をして伶士を奪い返すのみで良い。
主の身を最優先。それが護衛というものだろう。
そう結論付けてしまうと、後押しされるように足も進む。
私は間違ってない。
必ず、助けるんだ。
乗り換えた地下鉄も降りて、地上に出て、マンションへの道のりを辿る。
伶士が軟禁されているであろうマンションを前に、躊躇いもせず中に入り、予め借りていた鍵でオートロックを開けて、更に中へと進む。
エレベーターで、11階へと向かう。
こんな単独行動、剣軌に怒られるだろうな…なんて、頭に過らせながら。