俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

肌色一色の男女が、ベッドの上で激しく上下に揺れている…。

お互い必死な表情で、周りに目もくれちゃいない。

ちなみに女…花魁女郎蜘蛛が伶士の上に乗っかって、激しく腰を振っているといったところだ。



(ああぁぁ…)



なんて物を見せるんだ、おまえらは…。

マジ、他人のなんか見たくねえよ。もう懲り懲りだ。

ついでに言わせて貰えば、私と伶士はまだキスしてしてなくて、そこまでしてないのにぃ…。本当に盗られた気分。いや、気分じゃない。盗られてるんですよ、実際。

【傀儡】で操られているとはいえ、落ち込むなぁ…。

もう、苦笑い。ただそれだけ。もう、本当に正気の沙汰ではない。



あははは…と、目を逸らそうとしたが。

情事真っ最中の二人の間に、キラッと光る物が目に入った。

それは、初めて見るものではない。

そこでハッと気が付く。



あれは、花魁女郎蜘蛛の【傀儡】の糸…?



よく見ると、情事真っ最中の二人を繋いで結んでいるかのようだ。

あれは常時二人を結んでいるものなのか?

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