俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

病院で、親父と菩提さん相手に暴れたのも、いつだ…?



調べれば調べるほど、身に覚えがないことだらけで、疑惑と不安が増すばかりだ。

まるで、俺の姿をした俺じゃない人物が、俺になりすまして生活していた、みたいな。



そして、なずなはあの時、俺の側にいたはずなんだ。

そのなずなは、今はどこへ?



ハッと気付いて、俺は改めてスマホと向き合う。

そうだ。なずな、今何をしてるんだ?どこにいるんだ?



嫌な予感を払拭したい思いで、慌てて電話をかける。

だが…繋がらない。

なずなが電話に出ることはなく、不通和音どころかスマホの電源が入っていないようだった。



(何で…!)



それがますます俺の不安を煽る。

嫌な予感が頭から離れてくれなくて、通話がダメならLINEを入れてしまう。

《何してる?どこにいる?》

《すぐに連絡くれ》

電源が入ってないか電波の届かないところにいるのだから、直ぐに連絡なんて来るわけがない。

…けど、焦る気持ちが更に膨らみ、何度も何度も電話をかけ直したり、重ねてまたLINEを入れてしまうのだった。
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