俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

「伶士さま…」

「…忠晴も『落ち着け』とか『大丈夫』しか言ってくれないのか?…俺に何があったか、教えてくれないのか?」

「い、いえ…」

「俺、週末のこと、全然覚えてないんだ…。なのに、普通に部活の試合出てるんだ…。これ、何なんだよ」

「…そこまで気付かれたのですか」

「なずなとも連絡取れないし…いったいどうなってるんだよ!俺は!」

「伶士さま」



すると、忠晴は俺の傍に膝を付いて座る。

同じ高さになった目を合わせてきた。



「…確かに、この週末。伶士さまの身に異変がございました」



…わかってはいたことだけど、改めて聞かされると、言葉を失う。

言葉として告げられると、現実味を帯びて実感させられる。



「…何があった?」



俺が訊ねると、忠晴は咳払いをしたのち、話を始める。



「…金曜日のことです。伶士さまはお友達の家にしばらく泊まると、自宅には戻られませんでした」

「へ…?」

何だなんだ…?友達の家?

「って、どこの?誰んち?」

「私めの知らない御方の家です。誰かと訊ねても伶士さまはお答えになりませんでした」

「お、おいおい…」

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