俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
そんな冗談を言い合ってどつき合って、笑う。
でも、その夜景を眺めて溢れた笑みに、こっちがときめかされたのは言うまでもない。
連れてくることが出来てよかった。
『っつーか、このソファー何で窓の方向いてんの?』
『食べた後、ここに座って酒飲みながら夜景観るんだよ』
『わ。やらしくない?』
『………』
そんなことをサラッと簡単に言うな…!
いやいや、気付いてはおりましたけど。
でも、部屋予約したのは、俺じゃなくて忠晴であって、俺はそんな目的ひとつも…!
それに、俺たち未成年だからお紅茶ね。
…そんな小さい問答を繰り広げていると、顔見知りの支配人がわざわざ挨拶に来る。
いつも御愛顧ありがとうございますとか、こっちはこっちで、一度キャンセルしたのにまた快く予約受け入れてくれて感謝です…とか、いえいえとんでもない!とか。
大人とのそんなやりとりの様子を、傍でなずなに物珍しくじーっと見られていた。
…なぜ、そんな目で見る?