俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「な、何を今さら…」
突拍子もない発言だったのか、なずなの表情は驚きのまま固まっている。
けど、こんな状況を目の当たりにしてしまった以上、放っておけるわけがない。
それに…何かしてやりたい。
こんなことになったのは俺のせいだから、少しでも何か力になれればという思いもある。
「べ、別に今までも一人だったし…」
「歩くのが辛いって言ってたろ?トイレは大丈夫なのか?何なら俺が付き添って…」
「トイレぐらい一人で行けるわ」
「メシは!メシはどうするんだよ!何なら俺が用意して…」
「おまえ、メシ作れんの?いつも忠晴さんに用意してもらってるおぼっちゃまが」
「うっ…じゃあ、忠晴呼んで作ってもらう!」
「いいよ。今こんな状態だから、ろくにメシも食えねえし…」
「メシも食えないヤツ、尚更一人にしておけるか!…風呂だって、風呂だって俺が手伝って…」
「いやらしいし!…老人の介護か!」
ちっ。くそっ…。
俺には、何も出来ないのかよ。
何の力もないのか。
《おまえなんか、なにもできないくせに!》