俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
ムカッ。
いつの間にかこの場から消えていたヨーテリのセリフが改めて身に染みる。
(な、なんだと…?)
と、同時にこの俺の立場を否定されたような気がして、思わずカチーンとムキになってしまう。
その勢いで、おぼっちゃまはとんでもないことを言い出すのであった。
「帰らない…」
「は?」
「…帰らないぞ、俺は!おまえの世話をするのに、ここに泊まり込む!」
「は、はぁ?」
俺の帰らない宣言に、ポカーンとするなずな。
一方、俺は鼻息を荒くしていた。
「こんな状態で孤独死されても困るからな?!…俺が24時間介護だ!」
「は、はぁ?24時間って…学校はどうするんだ!」
「や、休むに決まってんだろが!これは緊急事態だぞ!孤独死の!」
「介護?孤独死?…私は老人じゃない!何を無茶苦茶なことを言ってるんだ!」
無茶苦茶?かもしんねえ。
でも、献身的に世話をする。
ここが男としての力の見せ所だと勝手に認識してしまった。
「俺は帰らない…帰らないからな!」
家に居座る気満々で、着ていたブレザーを勢いよく脱ぎ捨てた。