俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
ピンポーンとインターホンの電子音が、室内に響いて、体をビクッと震わせてしまう。
来た。ついに、来た…!
なずなは「…あれ?オートロックは」と呟いて首を傾げながら立ち上がろうとする。
「ま、待て!」
「…え?」
だが、それを制止したのは、俺だ。
「お、俺が出る…」
代わりに立ち上がったのは、俺で。
立ち上がりかけたなずなを「まあまあ」と、ソファーへと腰を再び降ろさせ、インターホンへの対応に出る。
「ここ、私んちなんだけど…」と、不満を漏らす声が聞こえるが、そんなの構っちゃいない。
何故、俺が意気込んで出しゃばっているのかは、不問にして下さい。
インターホンのモニターの前に躍り出ると、やはりそこには映っていた。
我が家の執事、忠晴だ。
「も、もしもし…」
応答ボタンを押して口を開くと、忠晴がカメラ目線になった。
『おや、伶士さま。お迎えに上がりました』
「………」
モニター越しじゃ、怒ってるかどうかわかんないな。
無言でいるわけにもいかないので、様子を伺ってみる。