俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
鈴を転がすような高い声を耳にして、ガクッとさせられると共に。
あぁ、またか…という落胆を覚えて、恐る恐ると目を開ける。
やほー。
ごきげんいかが?
ノートや教科書が広げてある机の端には、小さくて白い小鳥が一匹留まっている。
手の平サイズの小さなボディは、真っ白でもふもふとしている。
丸くて黒い目と三角の嘴がちょこんと中心に乗っかっているようで、丸と三角のみで形成されている顔。
長い尻尾をフリフリと振って、こっちをチラッと見ていた。
…来た。来たぞ。
なずなの代わりの臨時ボディガード。
豆大福という名のシマエナガだ。
見たまんま…。
どうやら、コイツはあの玲於奈のガーディアンの使い魔らしい。このシマエナガの姿は、あのぽめ同様仮の姿。
俺の臨時ボディガードになった経緯はわからないが、昨日初めて、本日同様に授業中にこうして押し掛けてきた。
周りが騒いでいないことから、この豆大福の姿は他の連中には見えないようだ。
…いや、見えていたら大騒ぎだよ。野鳥が教室に飛び込んでくるなんざ。