俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

それに、この問題に関しては懸念もある。



『大切な人達を犠牲にして、この世界を護るのか。世界を犠牲にして、自分の手で大切な人達を護るのか……君は、どっち?』



もし、万が一、自分の手で護れる力があるとして。

世界の安寧か、大切な人達かを選ばねばならないというような言い方。…これこそ、究極の二者択一だ。



(俺は、どっちだ…?)



…それからというもの、夢の中で掲げられた究極の選択が頭から離れない。

授業中はもちろん、友達と過ごす昼休み中も。

部活の最中も、立ち止まって考える。



現状維持で【夢殿】の力を覚醒せず、世界の平和を保つのか。

それとも…。



(……)



…だが、その選択が腑に落ちない感があるのが否めない。

何故?



そうなると、ますます考える。

時、場所構わず。

…家に帰って、なずなと一緒にいても。



「おまえ、今日も来たのか。…というか、今日はテレビ見るんだからな!捜査ニ課長70分スペシャルなんだ!……ペンギンは見ない!」



ちっ。昨日に引き続き、雪中散歩の回を見ようと思ったのに。

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