俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「お、俺も母さんに見るよう言うわ」
「やめとけやめとけ。あの美魔女の母さんが刑事ドラマなんて…」
いやいや。見たことないだけで、その面白さをわからないだけかもしれないぞ。
母さんに勧めてみよう…と、心に誓っている俺の傍では、その話の続きが進められていた。
「しかし、昨日の捜査二課長、昨日も無敵だったなー。わははは」
「…は?何?陣内、おまえ見てたワケ?母ちゃんと?」
思い出し笑いで声をあげている陣内を、颯太が不信そうに見て問い掛ける。
颯太のそのリアクションすら陣内には笑えたのか、陣内は更に声を出して笑っていた。
「そりゃテレビついてるもん。ついつい見ちゃうさー。最後まで。不覚にも集中して見てもうたわ。わははは」
「私もなんだかんだ見ちゃったよー。昨日の話、ヤマ場みたいな。盛り上がってた話だったよ?」
「美森もか…で、盛り上がってた昨日はどんな話だったのよ」
捜査二課長なんてしっかりと見たことのない俺は、話半分に聞いていた。
のだが。
「昨日の話はねー。テロリスト集団が、捜査二課長を狙うって話」