俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「…この世界に、何人の人間がいると思いますか?世界征服なんて、外の世界を知らない見聞の狭い小物の戯言でしょう…」
「…何が言いたいのですか」
「貴方達の成そうとしていることは、無理も甚だしいっていうことですよ…」
俺は、この力で何が出来るのか?
…全部、やるんだよ。
欲張りに、全てのことを成し遂げる。
ふと目の前を伺うと、そこにはもう冷静沈着な違うタイプの魔族の表情はなかった。
人間を力の無い家畜と見なしている彼にとって、今の俺のセリフは大層な侮辱だったのだろう。
表情は歪み、顰めていてビキビキと青筋が立っている。
「やはり、人間には我々の言ってることを理解出来ないようですね?……この、下等生物が!」
「……」
言ってること、全っ然わからなかったよ。魔族、所詮はみんな同じだったか。
理解出来る人いたら、連れてきて欲しい。
だが、そんな呑気なことも言ってられない状況となった。
「…元来、私は平和的に解決を望む性質なのですが、まさか『器』となる貴方にそこまで愚弄されるとは思いませんでしたよ…」
「……」