俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
フォーエバー水晶鬼様。
しかし、そんな変身シーンを経て見せた姿は、恐るべきものとなっていた。
ボディビルのように発達した、筋肉ムキムキマッチョ…。
そして、フサフサと靡く黒髪からは、一角獣のような先端が鋭く、長いツノが現れた。
や…本当に、変身か!
やはり、この手の連中は、結局筋肉ダルマなのか!
…だが、この経過を目にしても、黙って見上げて、なお冷静でいられるのは。
『わかっていた』ことだからか。
「ならば…力尽くで奪い取るまで!」
すっかり姿を変えてしまった黒曜鬼が、筋肉ムキムキになったその胸や腕を揺らしながら、真っ正面堂々足を進めて距離を縮めてくる。
迫り来る圧に無意識に危機を感じたのか、一歩後退する。
だが、抵抗しようと言わんばかりに睨み返して叫んだ。
「…来るな!」
俺のパーソナルスペースに踏み込んだところで、バシッ!と衝突する音が響く。
黒曜鬼は、苦悶の表情で手を引っ込めている。
「結界?…いつの間に!」
俺との間を隔てるものの正体に、黒曜鬼は気が付いたようだった。