俺のボディガードは陰陽師。～第五幕・白昼夢～

集中をしてイメージを。その上で、気を抜かずにキープしたまま、目の前の敵の元へ一歩踏み出す。

俺は絶対奪われない。…反撃だ。



一歩踏み込んだところで、光の壁…結界の表面が黒曜鬼の腕に接触する。

擦れた衝撃でバチッと火花をあげると同時に、今度は黒曜鬼が咄嗟に一歩後退した。

「な？…おまえぇぇっ！」

接触した腕を抱えて動揺した様子を見せるが、俺を見据える表情はますます強張っていく。



「力押しか？面白い…そんな即席の力で、この私に勝てると思うな！」



咆哮を耳にした途端、もの凄い勢いの圧がズシっと降ってきて、体を揺らされた。

（くっ…）

下半身を落として堪えるも、息が一瞬詰まったような気がする。

苦しくて、熱い…。

だが、ここで集中を切らしてはいけない。

ぐっと堪えて、ただ目の前にいる相手から目を離さず。



彼の叫び声と共に登場したのは、同じようなドーム型の結界だった。

間髪入れず、ギラギラと鬼気迫った形相でこっちに迫ってきて、そのまま結界ごと遠慮なく体当たりしてきた。

…まさか、本当に同じ土俵で勝負してくるとは！