俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「こんにちはー」
「いらっしゃいませー。…あ、伶士くん!座って座って」
「すみません、またお邪魔します」
店内に入ると、いつもの光景とは変わらず、カウンターには白シャツにエプロンの咲哉さんが洗い物をしていた。
すぐに中断してこっちにやってくる。
挨拶をしてから誘導されて、カウンター席に座った。
お昼過ぎで客が途切れたのか、店内には誰もいなかった。
「なんか久しぶりだね?こんな時間に珍しい」
「はい、部活終わって、道場にちょっと顔出してきたんです」
「部活かぁ。お疲れ様。糸田先生、今日もハゲてた?」
「え、ええ…」
竜堂といい、どうしてみんな糸田先生のハゲに触れたがるのだろう。
苦笑いが出てしまう。
「お昼まだでしょ?お腹減ってない?なんか食べる?」
「は、はい。じゃあ…」
そう言い掛けて、手元のメニューを開く。
すると、その時。
バァーン!と、勢いよくドアを開く音がして体をビクッと震わせてしまった。
…何だなんだ?元気すぎやしねえか?!
すると、そこには。
ドアの物音同様、元気な人が姿を現した。
「咲ちゃん、おっつー!」