俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
威勢の良い少年…?
背は俺くらいあるけど、登場するなり満面のスマイルを振り撒くその表情は、J系のイケメンなのにまだあどけない。
「やほー!」と、咲哉さんに向かって手を振っているその動作も何となくまだ子供のようだ。
…だが、注目すべき点はそこではない。
「あれ?美奈人、珍しっ…おおっ!」
みなと?咲哉さんの知り合いの子らしいが。
すると、咲哉さんが急に声をあげてカウンターから出てくる。
それもそのはず。
それを見た時、俺は一気に混乱の渦へと誘われた。
(えっ…)
彼の手元には、なんと…灰色のベビーカー。
しかも、中にはすやすや寝ている赤ちゃんが!
べ、ベビー!
まだ小っさいぞ?
「わぁぁ!連れてきたの?!かわいいなぁー!」
「ふぉっふぉっふぉっ。今日は天気が良いので、お散歩でちゅよー?失礼!」
そう言って、背の高い少年は、ベビーカーを押し、ガタガタとけたたましく車輪の音を鳴らして店内に入ってくる。
そしてまた、咲哉さんはベビーカーの中を覗き込む。中の赤ちゃんを見て再び「かわいいぃぃ…」と、デレデレと悶えていた。