SOAD OF WOULD
~主人公side~
穏やかな夢を見ていた。
それは、母様と父様が生きていた頃の
幸せな時代だった時の夢。
そう、あれは俺がまだ9歳の頃。
8歳から9歳になった時の話。
『母さま!きょうはなにをたべるのですか?』
『あら、さつき。今日はお父様が早く帰ってくると意気込んでいたのよ。あなたのお誕生日だからって。美味しい野菜を買ってくるって。』
『そうなのですか!うれしいです!』
『そうね。野菜が好きだものね。さつきは。』
『はい!だいすきです!』
母さまと話していると
ガラガラガラッ!!
『おーい!さつきー!今、帰ったぞー!』
『父さま!おかえりなさい!』
『今日はさつきが産まれた大切な日だからな!父さん奮発してさつきが好きな野菜を買ってきたぞ!』
『父さま!だいすき!』
『あははは!!そうか、そうか。父さんもさつきが好きだぞー!』
『はい!うれしいです!』
『あら、あなた?さつきだけ?』
『そ、そんな事は無い!母さんも好きだ!』
『うふふっ。私もあなたの事、好きよ。』
その言葉に父さまは、顔を真っ赤にして…
プシューとでもなっていそうな程、照れていた。
夫婦円満で、食べ物など貧しかったものの毎日…笑顔が絶えない家族だった。
いつまでも、仲良く暮らしていけると思っていた。
だが、現実は甘くなかった。
それも、誕生日の次の日に俺の大切な者が奪われた。